故人が生前に持っていた財産を家族や親族が引き継ぐことです。
もう少し厳密に言うと、ある人が死亡した場合に、その人の「一切の財産的権利義務を相続人が引き継ぐこと」です。
しかし死というものを敬遠し、身内に不幸が起こるまではそのことについて考えることをついつい先延ばしにしてしまい、いざ直面して慌てふためく場合が多いようです。
また、相続の手続きは生涯において何度もあることではありません、そのため正確な情報を入手するのが困難です。(何から手をつけたらよいのか、費用はどれくらいかかるのか、どういう手順で進めたらよいのか、誰に相談したらよいのか等々。)
相続手続には期限が定められているものがあり、すぐに手続きをしなかったことにより不利益を抱える場合もあります。
相続によるトラブルの中で、最も多いのは、遺産の分割に関するものです。
遺言が無い場合は、相続人全員による遺産分割協議を行い、具体的な分割の内容を決めることになります。
ただ、この遺産分割協議がうまくまとまるかどうかは、やってみないと分かりません。いままで仲の良かった兄弟が相続をきっかけに、骨肉の争いをくりひろげると言った話もあります。
こういった相続トラブルを未然に防止するという趣旨から、検討したい手続きが遺言です。
また、自分の財産の処分に関して自分の意思を反映させたいときにも、有効な手段です。